シリーズ 青葉山 152 ノブドウ
足元から「コロコロ、リィリィ」、エンマコオロギの鳴き声。 地獄の大王の名は借りているが、哀愁のこもった名調子だ。
八日ぶりに広がった青空に、林床を進む足取りも軽く感じられる。
白緑、るり、紫、紅紫とさまざまな色の実をちりばめたノブドウを見つけた。
ちょっといびつなのは、小さな虫が侵入したせいだ*。
今秋初めての冬型の気圧配置に、木々の葉も"秋色"を意識し始めた。
ブドウ科の落葉つる植物。
ノブドウ Ampelopsis brevipedunculata (Maxim.) Trautv. var. heterophylla (Thunb. ex Murray) Hara ブドウ科
* 食用のブドウのようにも見える果実は、ブドウタマバエやブドウトガリバチの幼虫が寄生したために大きくなった虫こぶです。ほとんどの果実には虫がつきますが、虫がつかなかった果実はよく見ないとわからないほどの大きさにしかなりません。食用にはなりません。