シリーズ 青葉山 154  チカラシバ 


 

 

 
紫色の穂が、太陽の光を浴びて輝いている。

手で触れてみた。瓶を洗うブラシにでも使えそうなぐらい固い。

 

名前の由来もすぐ分かった。引き抜こうとしても難しく、茎も切れない。


群生した穂の上をマユタテアカネのノシメ型が飛んでいた。赤い尾は成熟した証拠。
傍らの茂みには、秋遅く出没するオオアオイトトンボがいた。

全国の低山や道端に生えるイネ科の多年草。

(河北新報社提供 初出 1991.10.16)

チカラシバ
Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng.
イネ科
工学部ポンプ室周辺などの路傍にややふつう。

果実は動物によって散布されます。といっても食べられるわけではなく、果実の先の芒(のぎ)にある細かい上向きの毛で動物の体毛に絡まって運ばれます。