シリーズ 青葉山 111  ネジバナ 


 

 

 
朝の雨でぬかるむ道を抜けると、開けた草地に出た。沢を駆け上がってきた風も、きのうまでとは違い少し肌寒い。梅雨明けを待ちきれないのか、背の低い草たちが、辺り一面を埋め尽くしている。

その元気者たちの中に、ネジバナの姿があった。


淡い紅色の一つ一つの花はわずか5mmと小さいが、よく目立つ。その花が重なり、和名の由来のように見事ならせんを描いていた。

辺りを見比べると、ねじれ方は一定していないようだ。右や左、中には途中で向きを反対に変える"気まぐれ者"もいる。

ラン科の多年草。

 (河北新報社提供 初出 1991.7.30)

 

ネジバナ
Spiranthes sinensis (Pers.) Ames
var. amoena (M.Bieberson) Hara
ラン科

望洋台などの芝生や草地にややふつう。

湿った明るい場所と相性が良く、特に芝生との相性が良いようです。明らかに人里の植物で分布は広く、ヨーロッパからシベリアを経て日本まで、さらに東南アジアやオセアニアにも分布しています。

96年に建てられたばかりの植物園本館周囲でも、リュウノヒゲの植え込みの中に早速侵入し、ちょうど今ネジバナが満開です(98.8.2記)。