シリーズ 青葉山 109  ヤマユリ 


 

 

 
の大輪が咲いた。辺りに強い香気を放っている。

 

藪の中から立ち上がった、高さ1mほどの茎。その先端に、直径20cm近い花が数輪ついていた。

花の重みで茎は曲がっている。

毒々しい色の葯(やく)に囲まれて、雌しべの柱頭がある。触れると、強い粘り気があった。

 

虫によって受粉する虫媒花だが、小さな虫は柱頭にくっつき、死んでしまうことも。

左下は受精後の柱頭。上に反り返って枯れていくが、子房はしっかりと種子をつくる。

低山に多いユリ科の多年草。

 (河北新報社提供 初出 1991.7.27)

 

ヤマユリ
Lilium auratum Lindley

本沢などの林縁にややふつう。

ヤマユリは大型で明るい花、強烈な芳香で特徴づけられ、世界のユリの中で最も豪華で華麗なユリといえます。東北地方から近畿地方にかけての山地の林縁や草地に自生しています。ヨーロッパには19世紀に伝えられ、カノコユリなどとともにその美しさから一大センセーションをおこしました。現在では、園芸的な改良が加えられ、次々に新しい交配品種が育成されています。

ヤマユリの鱗茎には苦みがなく、古くから食用にされてきました。