シリーズ 青葉山 108  マメコガネ 


 

 

 
尾中のコガネムシを見つけた。マメコガネだ。後肢をぴんと跳ね上げて乗っているのは雄の方、二匹ともぴくりとも動かない。

 

このわずか1cmほどの虫が戦後アメリカに渡り、付けられた名が「ジャパニーズビートル」。大豆やインゲンの葉が大好物のマメコガネが、農作物に被害を与えた時に付けられた悪名だ*。

幼虫もその根が好物というから、親子そろって嫌われる。

 

 

 

しばらく観察していたが一向に交尾を終える様子はない。雷が鳴り出した。雨が降り出す前に、そろそろ引き揚げるとしよう。

 

 (河北新報社提供 初出 1991.7.26)

 


マメコガネ
Popillia japonica Newman
コガネムシ科

最も普通のコガネムシの一つで、植食性昆虫として重要な位置を占めます。ダイズを食い荒らす害虫として与えられた名前ですが、幅広い種類の植物を食い荒らします。仙台周辺ではこの時期咲いているハギの花が観察に最適で、例えば青葉山周辺のキハギの集団で非常に多くの個体が盛んに花を食害している様子を観察できます。

* 逆に、アメリカからやってきたアメリカシロヒトリ(ガの一種)は、1950年代以降、日本中の街路樹や庭木を食べ尽くし、猛威をふるいました。植物ではイタドリ(Japanese Knotweed)・スイカズラ(青葉山95)(Japanese Honeysuckle)・クズ(Kudzu)が日本からアメリカへ、アメリカネナシカズラ・セイタカアワダチソウ・オオブタクサがアメリカから日本へ侵入して嫌われています。