シリーズ 青葉山 95  スイカズラ 


 

 

 
し暑さが続く。流れる汗をふきながら丘を登った。

林床に足を踏み入れると、甘い香りが漂ってきた。においの元はスイカズラ。つるが互いにもつれあい、他の木に巻きつきながら生えている。よく見ると同じ木の中に、白と黄色の花が混じっている。

花は咲き始めが白く、後に黄色に変わるため、「金銀花」とも呼ばれる。筒型の2個の花が、仲良く並んで風に揺れていた。

日本からアメリカに渡ったこの植物、最近増えすぎて他の植物と「摩擦」を起こしているそうだ*。

スイカズラ科のつる性低木。

 (河北新報社提供 初出 1991.6.27)

 

スイカズラ
Lonicera japonica Thunb. ex Murray
スイカズラ科

南門周辺などの林縁や路傍にふつう。

花筒(かとう)の奥に蜜がたまっていて吸うと甘く、つる性の低木(カズラ)であることから「吸い葛」という名がついたとされています。茎の先のほうの葉が冬も落葉せずに残ることから「忍冬(にんどう)」とも呼ばれます。花はかならず2個ずつ対になってつきます。

*欧米では、スイカズラが観賞用に栽培されます。それらが野生化し、畑地や植林地でやっかいな雑木になっているようです。