宇宙環境で用いられるデバイス・材料の放射線影響評価

低軌道宇宙環境に対応する小型加速器を用いた低LET粒子線照射場の構築
近年、民間主導の宇宙開発(New Space)の進展により、小型衛星を活用した低軌道(LEO)衛星コンステレーションが急速に拡大しています。これに伴い、開発の高速化・低コスト化を目的として、市販の民生部品(COTS: Commercial Off-The-Shelf)の導入が進んでいます。一方で、COTS半導体デバイスは宇宙放射線、特に低線エネルギー付与(Low LET)荷電粒子によるシングルイベント効果(SEE)への耐性評価が十分ではありません。デバイスの微細化が進む現在、SEE発生のLET閾値低下が懸念されており、LEO環境を模擬した精密な照射評価基盤の整備が求められています。本研究では、小型加速器を用いて低LET荷電粒子環境を再現可能な模擬宇宙線照射場を構築し、精密な照射制御技術の確立を目指しています。

宇宙用材料の評価技術の開発
宇宙空間は、放射線・紫外線・高真空・極端な温度変化が複合的に作用する過酷な環境です。この環境に長期間さらされる宇宙機の材料は、表面状態・機械的特性・光学特性が徐々に変化し、ミッションの信頼性に直接影響を与えます。
なかでも宇宙機の外表面に使用される高分子材料等の熱制御材料では、反射率・透過率・吸収率といった光学特性の変化が熱環境の制御に関わるため、その正確な把握が不可欠です。
本研究室では、加速器を用いた荷電粒子照射により宇宙放射線環境を模擬し、材料劣化の評価技術開発に取り組んでいます。高分子フィルムや熱制御材料を対象に、照射前後の光学特性・表面状態の変化を分析することで、放射線が材料特性に与えるメカニズムの解明を進めています。
こうした研究を通じて得られた基礎データは、宇宙機設計における材料選定の高度化と長期信頼性の向上に貢献することを目指しています。
これらの研究に興味がある学部生、高専生は修士2年の石原慎太郎までご連絡お待ちしております。
ishihara.shintaro.q2[at]以下に東北大dcアドレス
