こんにちは。笠田研究室M2の宮岸太一です。
今回は、2025年1月26日から1月31日で開催された49th International Conference and Expo Advanced Ceramics and Composites(ICACC2025)に参加してきましたので、その様子と感想を報告いたします。
ICACC(アイシーエーシーシー、アメリカ人はアイカックと発音していました。)はアメリカのセラミック協会が主催する国際会議で、セラミックス材料の会議としては世界最大の規模を誇ります。ここ最近は毎年、フロリダ州にあるデイトナビーチのHilton Daytona Beach Oceanfront Resortで開催されています。19カテゴリーのシンポジウムと7つの注目セッションに分けられ、世界40数か国から1000人弱(多い!)の研究者が参加していました。 私は、核分裂・核融合エネルギーシステム材料のセッションの、High Temperature Ceramics and Environmental Resistance Iという小区分での発表でした。発表は「Investigation of Irradiation-Induced Viscous Flow of Mullite Ceramics at Room Temperature」と題して、ムライトセラミックスの照射誘起粘性流動現象について報告してきました。
発表は20分の時間が割り当てられていたので、15分くらいで発表し、残りが質疑応答の時間でした。これが国際会議での初めての口頭発表ということもあり、とても緊張しました。発表が1日の1番最後だったこともあり、正直なことを言うと、自分の前の数件の発表は集中して聞けませんでした。私の発表は最後であったにもかかわらず、多くの研究者たちが残って発表を聞いてくださり、今後の参考になる質問やご指摘をいただけました。聞いてくださっていた中には、何本論文を読んだかわからない先生がゴロゴロといたので、口から心臓が出そうなくらいの緊張でしたが、変な姿を見せては今後の就職に響くかもしれないと思い、できる限りの堂々とした発表を心掛け、何とか乗り切ることはできました。質疑応答では少し止まってしまう場面もあり、今後英語で発表するときに向けてもっと英語力を伸ばそうと強く思いました。
国際学会ではありますが、日本人の知り合いを増やすこともできました。これまでに他の研究室の学生でセラミックス材料の研究をしている博士学生(or 博士進学予定学生)を見つけることは、残念ながらできていませんでした。切磋琢磨する相手でもあり、いろいろな議論をできる相手でもあると思っているのでそのような人を見つけたいというミニ目標を掲げてポスターセッションを聴講しに行きました。実際にいい出会いがあり、連絡先を交換、研究の話をメールでするにまで至ることができました。学会に行くときは名刺を持参して臆することなく配りまくりましょう!
また、近藤先生は様々な研究者に私のことを紹介してくださり、多くの研究者と直接会話をさせていただくことができました。学位取得後の進路にも大きく活きる貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございます。
アメリカでの経験が豊富な近藤先生にアメリカでの生活について、チップの文化やスーパーで買うべきものを教えていただきました。学位取得後はアメリカでポスドクをしたいと考えている自分にとっては現地での生活をリアルに想像できる瞬間が多くあり、学会以外の時間でも多くの学びを得ることができました。
(学会申込時からわかっていたことですが)修士論文の提出時期と被ってしまったため、時差ボケで深夜2時に起きては朝7時まで修論を仕上げるという生活が数日続き、大変ではありましたが成長することができたと思っています。本来はもっと計画的に進めるべきでしたので、今回の学会で得たいい刺激を忘れずに、研究を進めていこうと思います。学会発表に修論や関してご指導いただいた先生方に感謝申し上げます。
今年は、静岡でICFRM-22が開催されます。笠田研からも多くの学生が参加すると思います。日本開催とはいえ国際会議で得られるものは多岐に渡るので、それぞれで目標を決めてそれを達成できるように頑張りましょう。