Ba1-x Kx (Fe1-y Coy )2As2の電子相図
ホールドープと電子ドープの組み合わされたBa1-x Kx (Fe1-y Coy )2As2を新たに開発し、その電子相図を構築した。キャリア補償域で反強磁性秩序が安定化されるという予想とは裏腹に、y = 2x 直線上で反強磁性-超伝導-常磁性と相変化することが判明した。こうした基底状態変化の要因として、元素置換に伴うランダムネスがバンド構造の特異性を平滑化させることで反強磁性相を不安定化させ、拮抗する超伝導相を発現させているというシナリオを提案した。
図1: Ba1-x Kx (Fe1-y Coy )2As2の電子相図
<参照文献>
- “Transition from antiferromagnetism to superconductivity in the compensated metallic state of Ba1-xKx(Fe1-yCoy)2As2”
Shunpei Suzuki, Kenya Ohgushi, Yoko Kiuchi, and Yutaka Ueda, Phys. Rev. B 82, 184510 (2010). [Virtual Journal of Applications of Superconductivity, Volume 19, Issue 10.]