リンパ節転移の制御は難しい!
2021.03.03 note
頭頸部悪性黒色腫として診断された患者94例のうち, 初期治療後の腫瘍再発は55例. 所属リンパ節転移は19例である [1].
口腔・咽頭がんの5年相対生存率は41.4%(男) - 66.9%(女)である [2].
リンパ節転移を抑えるだけで, 5年相対生存率は改善する.
われわれが提案するリンパ行性薬物送達法は, 全身投与に対し1/10,000以下の投与量で, センチネルリンパ節内の腫瘍増殖を1/10から1/100程度まで抑制でき, 副作用をともなわない画期的な治療法である. 最近の研究では, 溶媒の浸透圧と粘度を調整することでセンチネルリンパ節内の腫瘍増殖を1/1,000以下に抑制すことに成功している.
頭頸部患者を含め, リンパ節転移に苦しむ多くのがん患者に, 本手法をはやく提供したい.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22473987/
参考文献
[1] Shiga K, Ogawa T, Kobayashi T, Ueda S, Kondo A, Nanba A, et al. Malignant melanoma of the head and neck: a multi-institutional retrospective analysis of cases in northern Japan. Head Neck. 2012 Nov;34(11):1537-41.
[2] 国立がん研究センター. 最新がん統計. 2019.