研究内容

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RESEARCH CONTENTS

絶滅危惧植物の保全に関する研究

 日本産の野生植物の4種に1種が絶滅の危惧にさらされているといわれています。
 そのような植物の保全を考えるために、私たちは主に遺伝学的なアプローチを用いています。
 遺伝的多様性が減少することは絶滅のリスクを高める可能性がありますし、遺伝子レベルの観点から効率よく保護を行うためには、絶滅危惧植物がもつ遺伝的多様性や集団間の遺伝的分化を知る必要があります。

  • 寒冷期の遺存的植物と考えられているミカワバイケイソウ
    寒冷期の遺存的植物と考えられているミカワバイケイソウ

 また、人間活動に伴い、本来は分布していなかった植物が国内に移入してきて(侵入種)、もともと分布していた植物(在来種)と交配することにより、在来種の遺伝子を浸食する現象が知られるようになってきました。
 このような現象は私たちの身近で静かに進行している可能性があります。
 たとえば東北地方の湿潤な場所には比較的良く見かけるタデ科のノダイオウは多くの場合、外来種のエゾノギシギシと混生していることが多く、東北地方のノダイオウの生育地のほとんどの場所で交雑個体を見いだすことができます。
 これら2種間でどれくらいの遺伝子のやりとりがあるのかは未だよく分かっていません。
 現在、私たちの研究室と他の研究室と共同でこの問題について研究を進めています。

  • 絶滅が危惧されるノダイオウ
    絶滅が危惧されるノダイオウ