研究内容
RESEARCH CONTENTS
種間交雑現象の研究
植物では異なる種の間で交雑が起きることは稀ではありません。
もともと異なる遺伝子を持った2つの種の間からできる子孫はどのようになるでしょうか? もちろん両方の中間的なものになる場合もありますし、必ずしもそうならない場合もあります。
種間交雑が起きた結果、色々なタイプの子孫が生じて、場合によっては環境に適応した個体が生じることもありますし、(1)で述べたように倍数化を経て新しい種が分化することもあります。
また、2種間が交雑した状況が長く続くこともあります。
東北大学がある仙台市近郊にも種間交雑の例はたくさんあります。
写真は仙台市の西方20kmくらいのところの雑木林に生育しているキバナイカリソウ(黄色の花)とイカリソウ(赤色)の交雑集団における数個体の花序(花の集まり)を示しています。
赤と黄色のモザイクになった個体があるのが分かると思います。
このような交雑集団は仙台市近郊から山形県境付近まで存在しますが、仙台市よりも東南ではイカリソウが、山形県側ではキバナイカリソウばかりになります。
このような交雑帯はどのように生じたのでしょうか?
そして、今後どのようになっていくのでしょうか?
私たちの研究室では、このほかにもさまざまな植物種間での交雑現象について、いろいろなアプローチを用いて研究を行っています。