シリーズ 青葉山 85  カザグルマ 


 

 
沿いの道に咲いた"大輪"が、深緑の中でひと際目を引く。

 
大きさは約10cm。花びらのように見えた白いがくの中心には、多数の雄しべと雌しべが固まって付いている。

←クリックで大きく


足元の枯れ木の上では、尾の切れたカナヘビが休息中。敵の目をごまかすため、自分の尾を切るトカゲの仲間独特の「自切」行動をとった個体かもしれない。

カナヘビの近くを、シャクガの幼虫がのんびり移動中。昆虫が好物のカナヘビなのに、「尺取虫」にはなぜか無関心。
キンポウゲ科のつる植物。

(河北新報社提供 初出 1991.5.30)


カザグルマ
Clematis patens Morr. et Decne.
キンポウゲ科
園内での現状は不明。1958年に採集された標本があります。

白色〜淡紫色の見事な花をつけ、「クレマチス」の園芸品種の多くで母種になっています。美しい花を求めての乱獲がたたって野生のものは激減しました。

環境庁が97年の夏に取りまとめた新しい植物版レッドリストでは、「絶滅危惧II類(VU)-絶滅の危険が増大している種」に指定されています。これは、現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来確実に「絶滅危惧I類(野生での存続が困難)」に移行すると考えられる、危険な状態です。

→ 園内の貴重な植物(カザグルマ)