シリーズ 青葉山 75  ミツバツチグリ 


 

 
の良く当たる遊歩道沿いに、20cmほどの茎を伸ばして、ミツバツチグリが咲いた。直径1cm余りの花が、沢から吹き上げる初夏の風に揺れている。

森に咲く花の種類も、季節とともに変わる。4月10ごろ満開だった青葉山のカタクリの花は、種子を作って散った。ムラサキケマンの花も、もう花の姿はない。

早春の赤から紫、そして初夏の黄色へ。林の中の花の色は、今は黄色が主流だ。飛来する虫の種類に合わせた植物の知恵なのだろうか。

ほぼ全国に分布するバラ科の多年草。根茎が食べられるツチグリ*とは別種。

(河北新報社提供 初出 1991.5.17) 


ミツバツチグリ
Potentilla freyniana Bornm.
バラ科

二の丸苗圃などの草地や路傍にややふつう。

*ツチグリは近畿地方以西にだけ分布しています。根が肥大し生食できることから、「土栗(つちぐり)」の名がついた、と言われています。
ミツバツチグリの名はこの植物によく似ていて、3小葉を持つことによります。