シリーズ 青葉山 72  ニワトコ 


 

 
りに強いにおいを発して、白っぽい花が咲いた。近くを虫がたくさん飛んでいる。花をよく見ると、小さな花の集合体。一つの花に雌しべと、5本の雄しべを持つ両性花だ。

All photos by Kahoku Shimpo.


甘い蜜(みつ)を求めて、モモブトカミキリモドキが来た(右上)。体長6mmほどのカミキリモドキ科の虫だ。

別の枝を探すと、既に種子を作り散ってしまった花もあった(右下)。

ニワトコの果実には、その樹木によって、人間にとって猛毒の青酸化合物が含まれていることがある。

(河北新報社提供 初出 1991.5.14) 

 


ニワトコ
Sambucus racemosa L. subsp. sieboldiana (Miq.) Hara
スイカズラ科

火薬庫跡周辺などの林縁にふつう。

ニワトコの髄は植物実験で顕微鏡観察用の切片を作るときに使われることが多く、比較的知名度の高い木です。ところが、名前が売れているわりに実際のニワトコは見たことがない学生が多いようです。