シリーズ 青葉山 69  キビタキ 


 

 


年も「新緑の使者」がやってきた。

若葉によく映えるきらびやかな衣装をまとい、ご自慢の美しいのどを披露している。

野鳥のさえずりは特に日の出前後と日没前の2つの時間帯にピークを迎える。

渡ってきたばかりの夏鳥たちが、けんを競うようによくさえずるのは、パートナーを早く見つけることと同時に、縄張りを確保するためだ。

さえずりは大半が雄だけだが、中には雌も似た声で鳴く種類もある。

 
きょうから愛鳥週間。野鳥たちの歌声を聞きに、森の音楽堂へ出掛けてみませんか。

フィリピン付近からの渡り鳥。全長13.5cm。

(河北新報社提供 初出 1991.5.10) 

 


キビタキ
Ficedula narcissina
ヒタキ科ヒタキ亜科

植物園内で確認される鳥の種数は近年明らかに減少しています。キビタキも以前は園内で繁殖しているのが見られましたが、現在は繁殖が確認できない状況です。冬越しをする熱帯雨林が破壊されて個体数が減ったという説もありますが、植物園で少なくなったのはカラスが跋扈(ばっこ)しているせいかもしれませんし、高速道路等により植物園の森の分断化・孤立化が進んでいるせいかもしれません。

最近は初夏(5月くらい)に、南から渡ってくる途中で植物園に立ち寄る個体が多いようです。植物園の背後にある鉤取(かぎとり)山では繁殖しています。