シリーズ 青葉山 62  メジロ 


 


の光が森に満ちてきた。イヌブナの若葉が一層、みずみずしさを増し、野鳥たちのさえずりもピークを迎えた。

チーチュルチーチュル−。早口で歌いながら、木から木へと渡ってきた一団はメジロ。20羽近くはいるようだ。チョウジザクラ(バラ科)の枝に止まり、細長いくちばしを赤い萼筒(がくとう)の中に突っ込んで、蜜(みつ)を吸っている。

 

花が散れば蜜もなくなる。メジロたちの次の"食卓"になる木は開花が真近いカスミザクラだろうか。

甘いものには目がなく、庭のツバキや梅にもやって来る。体長11.5cm。 

 
(河北新報社提供 初出 1991.4.30)
 


メジロ
Zosterops japonicus
スズメ目 メジロ科

ほぼ全国で留鳥として繁殖しますが、北日本にはわずかです。平地から山地までのいろいろな林に生息しますが、よく茂った常緑広葉樹林を最も好みます。繁殖期には昆虫やクモをとらえて餌にします。秋冬には木の実もよく食べ、ヤブツバキなどの花の蜜もよく吸います。蘚類や枯れ草で作った椀型の巣をクモの巣でつり下げます。園内では周年見られ、繁殖しているようです。冬にはシジュウカラやコゲラと共に混群を形成しています。