シリーズ 青葉山 61  イヌブナ 


 


に差し込む光が黄緑色に変わった。冬芽が割れ、一斉に葉が広がった。

開き始めたばかりの葉を見ると、裏側の葉脈に沿って細かい毛がびっしりと生えている。2.5cmほどの小さな芽から、約7枚の葉が次々生まれる。


 

上は冬に見た枝。人の顔に似た「葉痕(ようこん)」に挟まれて、十本近いしま模様があった。冬芽を保護していた「鱗片(りんぺん)」が落ちた跡だ。

早春まで枝に残っていた枯れ葉は、芽吹きとともにすっかり落ちた。 

 
(河北新報社提供 初出 1991.4.27)
 


イヌブナ
Fagus japonica Maxim.
ブナ科

モミ−イヌブナ林の亜高木層で優占し、モミ−コナラ林、コナラ林、アカマツ−コナラ林にふつう。

イヌブナはブナよりも標高の低いところに生育し、本植物園の森を特徴づける種のひとつです。ブナのように単独で大規模な林をつくることはありませんが、植生帯を考える上では重要な種です。

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