シリーズ 青葉山 6 カラスザンショウ 


 

をくねくねと曲げながら、カラスザンショウの高木が空に伸びている。先ほどまでちらついていた雪もやみ、青空が広がってきた。

樹皮に密生したトゲにうっすらと雪が降り積もっている。

雪を払い、トゲに手を触れたが、先端は丸くなっており、痛さは感じない。

 枝先に目をやると、葉の落ちた跡(葉痕)が笑ったり、泣いたり、さながら人の表情のように見える。

目や口のように見えたのは、樹液を葉に送るパイプの役目の維管束痕だった。 


(河北新報社提供 初出 1991.1.28)


カラスザンショウ
Zanthoxylum ailanthoides Sieb. et Zucc.
ミカン科

落葉高木。深沢、本沢、見晴台などの林縁にややふつう。
→夏の姿

 
維管束のつくる材の模様は江戸小紋のよう、
アカシデ材(68K) イヌブナ材(60K) クリ材(60K) コナラ材(60K)
シラカシ材(60K) スギ材(60K) モミ材(52K)
(Kは画像ファイルの大きさ)