シリーズ 青葉山 192  オトコヨウゾメ 


 
 

 
葉に燃えていた木々もすっかり衣を取り去り、裸の姿を見せ始めた。林縁のオトコヨウゾメも枯れ落ちるばかり。

 
しかし、いわゆる"枯れ葉色"にはならない。

オトコヨウゾメの葉は、枯れたり、キズついたりすると"黒"く変わるのが特徴だ。

水分が蒸発してすっかりしぼんだ赤い実。ガマズミの仲間だが、人間は食べられない。が、山の木の実だけに生命をかける動物にとっては大切な食料。鳥ばかりでなく、地面に落ちたものは、小動物のごちそうになる。

スイカズラ科の落葉低木。

(河北新報社提供 初出 1991.12.3)

オトコヨウゾメ
Viburnum phlebotrichum Sieb. et Zucc.
スイカズラ科
亀岡道沿いなどの林縁や明るい林内にふつう。

最上道沿いの園路脇に点々と生えています。写真のように秋には葉が赤や紫に変化し、その後乾燥すると真っ黒に変色します。これはViburnum属の他の植物にはあまりみられない特徴です。訪花昆虫はコハナバチ、ハナアブ、オドリバエなどで、コハナバチが最も重要な送粉者になっているようです。