シリーズ 青葉山 190  ヒイラギ 


 
 

 
っかり葉を落とした落葉広葉樹の長い影が、南斜面の日だまりに横たわっている。静かな午後のひと時だ。

この季節、常緑植物は否応なしに目を引く。アオキやモミの間に、ヒイラギの幼木を見つけた。本来、仙台周辺には自生しない暖地性の植物なのに、どうしたのだろうか。

 

庭木として植えられていた果実を鳥が食べ、フンとともに森に排せつされた種子が運よく発芽したのかもしれない*。

漢字で柊と書くモクセイ科の常緑小高木。関東以西の山地に自生する。

(河北新報社提供 初出 1991.11.30)

ヒイラギ (在逸)
Osmanthus heterophyllus (G.Don) P>S.Green
モクセイ科
モミノキ道沿いなどの暗いモミ-イヌブナ林にまれ
自然分布域は関東地方以西

庭木や生け垣として植えられます。葉は対生します。若木の葉は写真のように鋭い突起がありますが、老木になると突起のない全縁の葉が多くなります。果実は黒褐色に熟します。昔は子供達が葉をカザグルマにして遊んでいました。今では親も知らない時代になりましたが。

果実が赤く熟し、クリスマスの飾りに使われるのはモチノキ科のセイヨウヒイラギという全くの別種です。こちらは葉が互生します。

互生と対生についてはクマノミズキのページをご覧ください。

 * 同様の植物にヤツデがあります。