シリーズ 青葉山 187  タカノツメ 


 

 

 
床の色とりどりの落ち葉も色あせ始めた。歩くたびに乾いた音が耳に届く。

淡い黄色に葉を染めて、落葉の時を待つのはタカノツメ。

三枚一組の「複葉」をすでに落としきった別の枝先は"タカの爪(つめ)"型の冬芽を結んでいる(下)。


 

キョッ、キョッ。波を描いて"赤頭きんの働き者"アオゲラが飛んできた。

 


 

葉が落ち、だいぶ明るさを取り戻した林に、ドラミングがこだまし始めた。

ウコギ科の落葉小高木。

(河北新報社提供 初出 1991.11.27)

タカノツメ
Evodiopanax innovans (Sieb. et Zucc.) Nakai
ウコギ科

最上台などの明るい林内にふつう。

園内にたくさん生えている木です。5小葉を持つ近縁のコシアブラとともに山菜として利用されることがあります。材の堅さの違いからタカノツメを男木、コシアブラを女木と呼ぶこともあります。