シリーズ 青葉山 171  ゲンノショウコ 


 
 

 
から秋にかけて、野辺を飾っていたゲンノショウコの白い花も、今は"実り"の季節。

船の錨(いかり)を思わせる独特な形の果実を見せている。

実はこれ、種子を既にはじき飛ばした後の姿だ。

はじめは棒状で、根元には丸い5つの種子の袋が付いている。

実が熟して乾燥するに従って収縮し、緊張が最大に達したときに、跳ね上がる仕掛けだ。

「現の証拠」と書き、飲めばたちまち薬効が現れるところから来た名前だ。

 

フウロソウ科の多年草。果実の形から、ミコシグサの別名もある。

(河北新報社提供 初出 1991.11.7)


ゲンノショウコ
Geranium nepalense Sweet subsp. thunbergii (Sieb. et Zucc.) Hara
フウロソウ科
火薬庫跡などの草地や路傍にふつう。

身近に自生する植物で薬草として非常に有名です。下痢・腹痛に茎や葉を煎じて飲むのが一般的で、以前は最も重要な民間薬の一つでした。現在でも製薬原料として需要があります。