シリーズ 青葉山 149  ウメモドキ 


 

 

 
メモドキの、小鳥たちへのプロポーズが始まった。「おいしいですよ。どうぞ食べて下さい」とばかりに、実を真っ赤に色づかせて主張する。

カエデの仲間は翼を、タンポポは冠毛を持ち、種子を遠くへ分散させる。

ウメモドキの実は、小鳥に食べてもらい、遠くへ運ばれることで、"種の維持"を図る。

 

糞(ふん)として出た種子は、そのまま落ちるよりも、発芽率がずっと良くなる効果もあるらしい。

 

落葉しても枝一面に実を残し、小鳥を待つ。冬に向かっての長丁場だ。

モチノキ科の落葉低木。

(河北新報社提供 初出 1991.10.9)

ウメモドキ
Ilex serrata Thunb. ex Murray
モチノキ科

最上道沿いなどの明るい林内にふつう。

葉が落ちたあともつややかな赤い実を枝いっぱいに残す姿が印象的です。庭木、盆栽、観賞用の切り枝として用いられ、いくつかの園芸品種が作られています。

実つきの良い種ですが、ウメモドキは雌雄異株(いしゅ)のため、雄株を庭に植えても実はなりません。