シリーズ 青葉山 145  オオカマキリ 


 

 

前略 オオカマキリ君

なぜ君は嫌われるんだろう。

「三角の小さな頭を向けて鎌(かま)を身構えられると薄気味悪い」、とか。

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雌が求婚者を食べる話はちょっと怖いけど、君は生きるのに必死だよね。

 

卵のう(右)に包まれた卵から生まれる百匹以上の兄弟、その中で生き残れるのはわずか1-2匹だそうじゃないか。

草陰にまちぶせる"殺し屋"の異名をとる君も、何時間でも辛抱強く昆虫を待つ姿はけなげと言うしかないね。
最近、必殺の"鎌"の調子はどうだい?

(河北新報社提供 初出 1991.9.13)


 

オオカマキリ
Tenodera aridiforia Stoll
カマキリ科

類似種にチョウセンカマキリがあり、単に「カマキリ」と言ったときにはチョウセンカマキリを指します。両種は北海道北部をのぞく日本各地に分布し、形態や行動がよく似ていますが生息場所が多少異なっていて、オオカマキリは山ぎわの草地に、チョウセンカマキリは水田のような開けた草原に多く見られます。

オオカマキリは園内ではロックガーデン周辺の草むらや、堤道の辺りに多いようです。生きている昆虫だけを食べ、動いているものならなんでもえさにしてしまうので共食いも珍しくありません。しばしばオスが餌食になるのも、下手に動いた瞬間に餌として認識されてしまうからです。