シリーズ 青葉山 146  ナンバンギセル 


 

 

 
スキ野原を歩き続けて、やっと出合えた。漢字で書くと南蛮煙管。

形がパイプに似ているのでこんな名がついた奇妙な植物だ。

 

実はこの種類、ススキやミョウガなどの根の養分を吸収して生きる寄生植物。当然、光合成はしない。

茎のように見えるのは「花柄」で、茎は地中にあって地上には出てこない。

高さ約20cm。数は少なくはないが、密生したススキなどの根元に生えるため、見る機会は少ない。ハマウツボ科の一年草。

一雨ごとに秋が深まっていく。


(河北新報社提供 初出 1991.9.14)

オオナンバンギセル*
Aeginetia sinensis G. Beck
ハマウツボ科

園内で自生の記録はありません。

* ナンバンギセルとオオナンバンギセルは形態がよく似ていますが、花冠の形態からオオナンバンギセルと判断しました。実際に青葉山周辺ではオオナンバンギセルのほうが目につきます。

オオナンバンギセルは主にヒカゲスゲに寄生し、ヒメノガリヤス、ウラハグサにも寄生するとされています。