シリーズ 青葉山 141  ジョロウグモ 


 

 

 

り巡らされたクモの糸に、ノシメトンボが引っかかった。

間髪を入れず、寄ってきたジョロウグモ。鋭い上アゴのキバをトンボの首筋に突き立てると、トンボはけいれんを起こして動かなくなった*。

 

残酷なようだが、これも"自然の法則"の一つ。息をのんで観察する。

クモは生きている物しか食べない。キバで毒液を注入して相手を参らせ、口から消化液を出してタンパク質を溶かす。「口外消化」と呼ばれるこの食事法。"肉"が溶けてから、その液体を吸い始めた。

 

(河北新報社提供 初出 1991.9.9)

ジョロウグモ
Nephila clavata L. Koch
コガネグモ科

クモの仲間にはメスよりもオスがずっと小さい「ノミの夫婦」がたくさんいます。普通に「ジョロウグモ」と言っている(上の写真)のもメスで、網に同居するオスはずっと小さく別の種類に見えるほどです。ただし、メスをめぐるオス同士の争いは激しく、メスの網にはしばしば複数のオスが見られます。

* 多くのクモは、網に獲物がかかるとまず鳥もちのような粘着性の糸の帯を投げて獲物の自由を奪い、さらに糸を巻きつけて完全にくるんだ後に毒液を注入します。ハチやカマキリなど危険な獲物もこうして捕獲されます。しかし、ジョロウグモはこうした攻撃をいっさい行わず、すぐに咬みついて獲物を取り押さえます。