シリーズ 青葉山 132  ススキ 


 

 

 


 
葉山でも秋の七草の一つ、ススキの穂が目立ち始めた。
日当たりの良い散策路を歩くと、背丈を超える株が風に揺れていた。

 
赤みを帯びた穂に近寄ってみる。

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開花期の穂だ。たくさんぶら下がっているのは雄しべ。上に突き出ているのが雌しべだ。風で雄しべが揺れ、花粉が飛んで受粉する「風媒花」。受粉は一日で終わり、雄しべは落下する。

 


上は早くも種子ができた株。綿毛の付いた種子が、種を上向きにして、ゆらゆらと飛んでいった。

(河北新報社提供 初出 1991.8.29)

 

ススキ
Miscanthus sinensis Anderss.
イネ科

草地や路傍にふつう。

「尾花」と呼ばれ、秋の七草のひとつです。ススキの地下茎は太く短く、年とともに同心円状に広がって大きな株になります。初夏になると親株のまわりにすばやく新しい茎を直立させて高く伸ばし、他種との光をめぐる競争に強い性質を持ちます。つる性の植物にも絡まれにくいので、放棄された耕作地や空き地によく繁茂します。日本の代表的な草原植物です。

茅(カヤ)と呼ばれ、茅葺き(かやぶき)屋根の材料として古くから重要な植物でもありました。

補足:カヤに利用される植物は、場所により違いがあります。水辺が広がっている地方ではヨシ、奄美・沖縄地方ではチガヤが使われていました。

  ススキは秋の七草のひとつです。 → 秋の七草のページ