シリーズ 青葉山 129  アオカナブン 


 

 

"樹液食堂"は虫たちで一日中にぎわいを見せる。やって来るのは、クワガタ、カミキリ、ハチ、チョウとさまざまだ。


 

朝一番、重々しく一直線に飛んできたのは、早起き者のアオカナブンだ。

光り輝く緑色の体は、メタリック塗装を思わせる。しかも、角度によって赤や青が混じり、複雑な色彩を織りなす。

樹皮の間に頭を突っ込み、むさぼるように樹液を飲み始めた。

一日のうち、比較的限られた時間帯に活動する虫たち。それぞれ異なる時間に、"樹液食堂"を訪れることで、お互いの争いを少なくしている。虫たちの知恵だ。

コガネムシ科。体長26mm。

(河北新報社提供 初出 1991.8.26)

 

アオカナブン
Torynorrhina unicolor Motschulsky
コガネムシ科

アオカナブンはカナブンの緑色型と区別が難しいことがありますが、より鮮やかな緑色をしています。この仲間は樹液に好んで集まり、上の写真のようにコナラなどの幹に飛来するので採集は容易です。過熟した果実や灯火にもよく集まってきます。成虫の発生は夏のみです。