シリーズ 青葉山 128  アレチマツヨイグサ 


 

 

 
レチマツヨイグサの体内にセットされた"目覚まし時計"が作動し、夕暮れと同時に開花した。


      

「月見草」*の別名で知られる同じアカバナ科の仲間のオオマツヨイグサに比べると全体に細長く、花も小ぶり。

どちらも"夜行性"の不思議な帰化植物だ。

夜が更けてきた。「スィーチョン」。おなじみの声はウマオイ。
 

 
沢近くで弱い光を放っているのはクロマドボタルの幼虫。ゲンジボタルなどと違い、幼虫時から陸生の貝を食べて生きている。雌は羽化しても飛べずに一生を地上で暮らす。

(河北新報社提供 初出 1991.8.24)

 

メマツヨイグサ**
Oenothera biennis L.
アカバナ科

(帰化)望洋台などの草地や路傍にややふつう。

夜間開く花にはスズメガの仲間が訪花し、粘着性の糸のようなもので綴られた花粉(花粉粒)が体にまとわりついて、次の花で授粉する仕組みになっています。

* 標準和名で「ツキミソウ」という名は、メマツヨイグサの仲間で江戸時代末に栽培されていた白花の植物に与えられています。マツヨイグサやメマツヨイグサが誤って「月見草」と呼ばれることもあります。

** 近年「アレチマツヨイグサ」という和名は使われず、「メマツヨイグサ」という名で統一されています。

 メマツヨイグサ (Oenothera biennis)の仲間は近年まで分類が混乱していて数種に分けられたこともあり、そのうちの日本に帰化した1型に対し戦後アレチマツヨイグサの名がつけられました。しかし、これらの型は近年の遺伝学的研究の結果区別することができず、戦前にO. biennis に対して命名されたメマツヨイグサの名で呼称を統一することになったものです。
 この種がおそらく2回以上の雑種由来であると考えられることと、マツヨイグサの仲間の特殊な染色体構造により組み替えを起こしやすいことから、野外では様々な形態の変異がみられ分類が混乱する原因になっています。