シリーズ 青葉山 127  コジャノメ 


 

 

日ごとに涼しくなった雑木林を歩いていくと、さまざまなチョウに出合う。
 

 
日の"収穫"は交尾をしながら飛んでいたコジャノメ。単独で飛び回っているものよりは、やはり動きは遅く鈍い。

ヒノキの幹にとまった。上が雌。

 

雄に比べると羽の形が全体に丸みをおび、地色がやや薄いのが識別のポイント。


雌が雄を包み込むように羽を閉じている。

近づきすぎたようだ。雌が先になって連結したまま飛び去った。

 

ジャノメチョウ科。仙台周辺では春と夏の2回発生*。この時期、産みつけられた卵は最終齢虫で越冬。

翅開張約45mm。

(河北新報社提供 初出 1991.8.23)

 

コジャノメ
Mycalesis francisca Cramer
ジャノメチョウ

本州・四国・九州に分布し、東北地方には少ないとされています。ただし、コナラ林などの落葉樹林内ではよく見かけるチョウで、植物園でもしばしば林内をひらひらと飛んでいたり、ササの葉の上にとまっているのを目にします。

成虫はゆるやかに跳ねるように飛びます。汚物や腐果に飛来し、花を訪れることはありません。幼虫はチヂミザサ、ススキなどのイネ科の植物を食べます。

* 暖地では年に3回発生する地域もあります。