シリーズ 青葉山 122  ゴマダラカミキリ 


 

 

 
ヌギやハンノキなど落葉広葉樹の生い茂る林。一匹のゴマダラカミキリが止まっている。樹液が染み出し、大分樹勢の衰えたコナラの木だ。

光沢ある体に、長い触角。

美しい虫だが、幼虫も成虫も果樹園などに被害を及ぼし、人間にとっては"害虫"。

白い班点のある背中の部分は「さや羽」と呼ばれる前羽。

空中を飛ぶときは左右に広げ、中から柔らかな後羽が出てくる。

辺りが
薄暗くなってきた。
彼らの活動時間は夜。
 

"闇(やみ)"を待ちきれないように、軽い羽音を残して飛び去った。

体長3cm。カミキリムシ科。

 
 (河北新報社提供 初出 1991.8.13)

 


ゴマダラカミキリ
Anoplophora malasiaca Thomson
カミキリムシ

ヤナギ類、ハンノキ類、カエデ類、スギなど、多くの植物への加害が確認されており、いろいろな場所で厄介者扱いを受けています。

カミキリムシの仲間にはマツ枯れに深くかかわっているマツノマダラカミキリがいます。この虫はマツ材線虫病を引き起こすマツノザイセンチュウを媒介します。マツノマダラカミキリがマツの樹皮をかじった際にできた傷口から、体内の線虫(マツノザイセンチュウ)が樹体内に侵入し,マツを発病させ枯れさせてしまいます。近年、植物園内のアカマツにも被害がでており、防除の努力がなされています。

→ マツ枯れの発生機構についてはこちら (いしかわ森林図鑑の中のページです)