シリーズ 青葉山 103  セリバオウレン 


 

 


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月中旬、春風に揺れていたセリバオウレンの白い小さな花(左)もとっくに散り、代わって赤茶色の果実が放射状に広がっていた*。

 

袋状になった果実の中の種子は風に揺れるたび、先端に開いた穴から振り出されていく。無事の発芽を祈ろう。


林を抜けると太白山(たいはくさん)**が顔を見せた。あと半月もすれば夏休み。この一帯で捕虫網を手にした子供たちが飛び回るのももうすぐだ。

 (河北新報社提供 初出 1991.7.6)

 

セリバオウレン
Coptis japonica (Thunb.) Makino
var. dissecta (Yatabe) Nakai
キンポウゲ科

モミノキ道周辺などのモミ−イヌブナ林やモミ林の暗い林床にややふつうに群生する。

* 花は早春に咲くことから、野外では花よりもこの矢車のように広がった果実を見かけることのほうが多いように思います。

** 仙台市街南西方のランドマーク、標高321mの山です。一帯は青葉山から連続したモミ-イヌブナ林とスギ人工林が広がる自然観察の森になっています。登山道もあり、手軽に登ることができます。麓にある「自然観察センター」では、野外観察会や、レンジャーによるガイドウォークがさかんに実施されています。

 → 仙台市太白山自然観察の森自然観察センター(WNN-nature)