シリーズ 青葉山 102  クロオオアリ 


 

 

 
ではあまり見られないクロオオアリが、コナラの若枝を歩き回っている。

 
よく見ると枝には体長4mmほどの別の虫もいた。クリオオアブラムシだ。先月、伸びたばかりの柔らかな枝に口を差し込み、汁液を吸っている*。

アリとアブラムシの関係は「共生」**と呼ばれる。自分の体長の数倍もある獲物を集団で襲うアリだが、アブラムシだけは襲わない。甘党のアリは、アブラムシがおしりから出す「甘露(かんろ)」が大好物。その代償として、アブラムシの天敵のテントウムシなどから身を守ってやるのだ。

体長は1cmを越す大型のアリ。

 (河北新報社提供 初出 1991.7.5)

 


クロオオアリ
Camponotus japonicus
アリ科

園内を散策していると、梢でアブラムシと一緒にいるところより、むしろ普通に地上を歩いているクロオオアリをよく見かけます。日本最大のアリで、他の種に比べると重厚でゆっくり歩いているふうです。

クリオオアブラムシ
Lachnus tropicalis
アブラムシ科

体長3-4mm。クリの害虫として有名。クヌギやカシにも寄生します。

* 写真ではわかりにくいのですが、左上にいるのが、クリオオアブラムシのようです。

汁液は、葉で作られた糖分を多く含みますがアミノ酸には乏しいため、アブラムシがアミノ酸の必要量を摂取しようとすると、糖分を取りすぎてしまいます。過剰な糖分を排泄したのが「甘露」です。これをアリは「蜜胃」に貯め、仲間にも分け与えます。

** アリはシジミチョウとの間にも深い共生関係を結んでいます。

例えばクロシジミの幼虫は、クロオオアリの「巣の中」で暮らしています。幼虫の分泌物(蜜)はアリの好物であり、かわりにアリは幼虫に餌を与えます。

なお、Web上のアリ図鑑として有名な「日本産アリ類カラー画像データベース」がここ、あるいはここ(ミラーサイト)にあります。