園内を散策していると、梢でアブラムシと一緒にいるところより、むしろ普通に地上を歩いているクロオオアリをよく見かけます。日本最大のアリで、他の種に比べると重厚でゆっくり歩いているふうです。
クリオオアブラムシ
Lachnus tropicalis
アブラムシ科
体長3-4mm。クリの害虫として有名。クヌギやカシにも寄生します。
* 写真ではわかりにくいのですが、左上にいるのが、クリオオアブラムシのようです。
汁液は、葉で作られた糖分を多く含みますがアミノ酸には乏しいため、アブラムシがアミノ酸の必要量を摂取しようとすると、糖分を取りすぎてしまいます。過剰な糖分を排泄したのが「甘露」です。これをアリは「蜜胃」に貯め、仲間にも分け与えます。
** アリはシジミチョウとの間にも深い共生関係を結んでいます。
例えばクロシジミの幼虫は、クロオオアリの「巣の中」で暮らしています。幼虫の分泌物(蜜)はアリの好物であり、かわりにアリは幼虫に餌を与えます。
なお、Web上のアリ図鑑として有名な「日本産アリ類カラー画像データベース」がここ、あるいはここ(ミラーサイト)にあります。