シリーズ 青葉山 101  ミヤマタムラソウ 


 

 

 
近くの湿った斜面。足元から逃げ去ったヤマカガシに驚き、飛びのいた。その林床に高さ20cmほどの白い花が咲いていた。

 
茎は角張っている。地面をはうように生え、立ち上がった先端に花穂があった。

林内は、樹木の枝が互いに重なり、なお暗さを増す。

直接日の当たる木の頂きに比べると、地面付近の明るさは20%に落ちる*。

薄暗い林内でも生きられる、日陰を好む植物だ。
 

カッコウが盛んに鳴いている。ネムノキの葉もすっかり広がった。

シソ科の多年草。

 (河北新報社提供 初出 1991.7.4)

 

ミヤマタムラソウ
Salvia lutescens Koidz.var. crenata (Makino) Murata
シソ科

市道川内−旗立線沿いなどアカマツ−コナラ林の暗い林縁やモミ−イヌブナ林床にややふつう。

* 青葉山のようによく発達したモミーイヌブナ林では地面に届く光は林冠部(木の頂き)に比べると5%程度にしかなりません。林冠を覆っていた木が倒れて、空がぽっかり開いた場所(ギャップ)で20%程度です。