シリーズ 青葉山 100  ユキノシタ 


 

 


 
っとりとぬれた城跡の石垣。うっすらと雪が降り積もったように、ユキノシタが群生していた*。

近づいてみる。花全体の形は、漢字の「大」に似ている。五枚の花弁のうち、薄いピンク色の上三枚には濃い紅色が差している。湿った岩場などに生えるかれんな花だ。

 

 

根元を見てみよう。花を付けた根元から「走出枝」と呼ばれる枝が四方に伸び、先端には新しい株を形成していた。

今年中には花芽を付け、来年にはまた美しい花を咲かせることだろう。

 (河北新報社提供 初出 1991.7.3)

 

ユキノシタ
Saxifraga stolonifera Meerb.
ユキノシタ科

(在逸)市道青葉山−亀岡線沿いおよび工学部機械学科との境界付近にやや多数群生。前者は廃棄されたゴミから、後者はかつて植栽されたものから広がったものと考えられる。

* 写真は仙台城石垣です。ご覧の通り石垣は膨らんでいて崩壊の危険があり、城址の整備計画に沿って現在補修工事が進められています。ユキノシタの集団はどうなってしまうのでしょう。