学術変革領域研究(B)「遅延制御超分子化学」
領域番号21B205

学術変革領域研究(B)「遅延制御超分子化学」
領域番号21B205

代表あいさつ

東京農工大学大学院
グローバルイノベーション研究院
教授 村岡 貴博

自然界は、非対称構造にあふれています。
生体のようなマクロスケールから、蛋白質などの分子スケールに至るまで、生命体の多くが複雑性に富む制御された非対称構造を有しており、構造と機能の多様性を獲得しています。
一方、超分子化学の発展を通じて、化学者は様々な分子集合体を構築する学理を築いてきました。しかしその多くは、幾何学的な対称形の構築に限られ、非対称構造のボトムアップ構築化学は未確立です。
私達は、生体分子、生体組織の構築プロセスに普遍的に見られる「遅延制御」が、機能的な非対称構造構築の鍵であると提唱します。
本学術変革領域研究は、有機化学、細胞生物学、構造生物学、そして計算物理学を専門とする研究者が結集し、生体の非対称構造構築機序を解明し、模倣することにより、現在の「熱力学支配」の超分子化学を「速度論支配」へと変革し、機能的な非対称構造を人工構築する「遅延制御超分子化学」の学理構築を目指します。
この学理構築は、非対称型超分子・高分子新材料の開発に加え、マクロから分子に渡る様々な生物階層における非対称構造形成・発生過程の統合的な理解など、化学、生物学の幅広い研究分野へ波及すると期待されます。

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