Molten salt Flibe blanket- 溶融塩Flibeブランケット


Page 1 : 核融合炉の液体ブランケット

Page 2 : 溶融塩Flibeブランケット

Page 3 : 高温溶融塩実験ループ・電気分解実験
Page 4 : 高プラントル流体の熱伝達促実験
Page 5 : 電磁流体の数値解析法の開発
Page 6 : 新型溶融塩冷却材Flibe+Cs, Iの開発

溶融塩Flibeブランケット

溶融塩Flibe (LiFとBeF2の混合塩 LiF : BeF2 = 66 : 34) は、Liに比べ電気伝導性が低くMHD圧力損失を抑えることが出来るだけではなく、 中性子増倍材(中性子を増やす反応に利用される物質)であるBeを組成中に含むため有力な ブランケット材として考えられています。現在、核融合科学研究所が設計しているヘリカル型核融合発電実証炉 FFHRでも、このFlibeブランケットの採用が検討されており、当研究室は核融合科学研究所と共同研究で Flibeブランケットに関する実験・解析を行っております。

ヘリカル型発電実証炉 FFHRとFlibeブランケット
(核融合科学研究所 http://www.nifs.ac.jp/


Flibeブランケットには以下の利点、欠点があります。

  • 利点
  • - Flibeは中性子増倍、燃料増殖、冷却の役割を全て担うことができる。
    - Flibeは導電性の低い流体であるため、MHD圧力損失が小さい。

  • 欠点
  • - Flibeは高プラントル数流体(粘性の高い流体)であるため、除熱性能が低い。
    - 熱伝達率を上げるために、Flibeを高速で流すと、電気分解を起こしF2が発生する。

    数MW/m2という高熱負荷のかかるブランケットをFlibeで冷却するためには、低流速で熱伝達率を高める ことができる効率的な除熱方法を適用する必要があります。

    Flibeブランケットを用いた先進原子力サイクルシステム構想

    核融合炉で発生する14 MeV中性子は、原子力発電所で発生した放射性廃棄物に含まれるいくつかの 放射性元素の核変換処理に用いることができる可能性があります。本研究室では、この特徴を 利用し、現在の原子力発電所、次世代高速炉、加速器駆動未臨界炉(ADS)、核融合炉を一連の 核燃料サイクルに組み込んだ先進原子力サイクルシステムを提案しております。

    先進原子力サイクルシステム構想

    原子力発電所で発生する放射性廃棄物に含まれる核種の代表例としてセシウム(Cs)やヨウ素(I)の 放射性同位体があります。 このうちのいくつかは核融合炉で発生する14 MeV中性子で核変換処理(より半減期の短い核種に変換する処理)ができます。 また、これらの核種は中性子増倍反応を起こすということも特徴の一つです。 したがって、放射性廃棄物からこれらの核種を取り出し、Flibeに溶かしてブランケット内で循環させることで、 放射性廃棄物の核変換処理、および燃料増殖反応を同時に起こすことができます。

    Flibeブランケットに関する研究テーマ

    上記、Flibeブランケットのコンセプトを実現させるために、本研究室では以下の研究を 行っております。

    1. 高温溶融塩の電気分解挙動の確認
    2. 高プラントル流体の熱伝達促進技術の研究(球充填管・ナノテクノロジーの応用)
    3. 電磁流体の数値解析手法の開発
    4. 新型溶融塩Flibe+Cs,Iの開発

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