強相関電子系では、しばしば対称性の破れやトポロジカル数で特徴づけられる量子秩序が生じ、巨視的なスケールで量子効果が発現します。超伝導・スピン液体・量子ホール効果は、その代表例です。本研究室の究極の目標は、これまでに知られていない新奇な量子物性を発見することです。その鍵となるのは「物質」であり、研究の柱に「新奇な強相関電子物質の創製」を据えています。
様々な固体化学的手法を駆使して、酸化物・窒化物・カルコゲナイド・ニクタイドなど広範な遷移金属化合物の純良試料を育成しています。超高圧合成法を用いた新物質探索も行っています。こうして得たバルク試料に対して、電気的・磁気的・熱的・光学的性質をラボベースで測定することで、量子物性の開拓を進めています。近年長足の進歩を遂げている共鳴X線散乱や中性子散乱など大型施設を利用した量子ビーム研究も積極的に推進しています。このような、物質合成を基盤に置いた総合的な研究を通して、磁性・超伝導・トポロジカル秩序などの新奇な量子物性を見出すことを目指しています。
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