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残留応力の評価
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残留応力は機械加工や熱処理工程などによって発生し、機械部品の疲労強度や耐応力腐食割れ特性に非常に大きな影響を及ぼします。そのため、存在している残留応力を精度良く評価することが必要となります。残留応力の評価法には様々な手法がありますが、一般的にはX線回折法が多く用いられています。残留応力により格子間隔が変化し、X線回折角に差異が生じます。この差異から弾性学を用いて残留応力を算出します。一般的にはsin2ψ法を用いる測定法が主流ですが、sin2ψ法は様々な仮定に基づいて残留応力を算出しているため、曲げ応力などの比較的単純な応力場における評価に向いています。しかし、機械加工後の応力場は複雑であるため、sin2ψ法に加えて他の測定法の研究開発が進められています。
本研究室ではsin2ψ法に加えて2D法のX線回折応力測定装置を保有しています。この2D法は一度の測定で6成分の残留応力を評価することが可能な手法で、複雑な応力場を有する金属材料表面の残留応力を精度良く評価することができます。2次元検出器により回折X線を2次元で捉えることでデバイリング（下図参照）の歪みから残留応力を算出します。この方法により、微小領域や曲率の小さな曲面における全ての成分の残留応力を精度良く評価できます。 |
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