主催:東北大学金属材料研究所国際共同利用・共同研究拠点GIMRT
同時開催:日本原子力学会2026年度材料部会夏期セミナー
原子力・核融合炉材料研究における中核的課題は、照射による機械的強度特性や相・形状安定性の変化を的確に予測するとともに、高い耐照射性を有する材料を創製することにある。その実現には、原子スケールからマクロスケールに至る照射下材料挙動を統合的に理解することが不可欠であり、照射場(イオン・中性子)×高度照射後試験(微細組織評価、(超)微小試験技術)×計算材料学の三者を有機的に融合させた研究基盤の構築が強く求められている。
しかしながら、我が国における照射研究基盤は、材料試験炉による中性子照射場のみならず、加速器を用いたイオン照射場についても利用性の低下が続いている。中性子照射後試験に関しては、大洗センターを中心として優れた装置群と独創的な研究手法が培われてきたものの、近年は十分な設備更新・拡充に結び付いておらず、その間に大規模な設備投資を進めてきた諸外国に対して、相対的な研究環境の差が顕在化しつつある。加えて、当該分野における計算材料学研究者の数が不足していることは、長年にわたり指摘されてきた構造的課題である。
このように、近年は停滞を余儀なくされてきた我が国の照射材料研究分野であるが、足元では商用軽水炉の再稼働に加え、新設炉の議論も現実味を帯び始めている。さらに、核融合炉実現への期待の高まりを背景として、材料照射研究に対する関心は、若手研究者や産業界を中心に再び拡大しつつある。このような状況に備えて、これまで代表者は GIMRT ワークショップ等を通じて「Irradiation 3.0」という概念を提起し、次世代の材料照射研究の在り方について議論を重ねてきた。
本研究会では、この Irradiation 3.0 の中核に位置付けられる「照射場×高度照射後試験×計算材料学」の融合を具体化するIrradiation3.1を実現することを目的とし、各分野を代表する研究者によるレクチャー(日本原子力学会材料部会との同時開催)と、若手中堅研究者による最新研究成果の発表を組み合わせたプログラムを構成し、次世代の材料照射研究について議論する場を提供する。
※GIMRTワークショップ部分は参加登録の上で無料で参加可能です。この場合、それ以外のセミナーについては参加できませんので、プログラム全部に参加する場合には、セミナーへの登録をお願いします。
9/28(月)
8:50- 9:00 ワークショップ開会式&セミナー開講式
9:00-12:00 放射線挙動解析コード PHITS で学ぶ照射損傷理論と実践 岩元 洋介(JAEA)
12:00-13:00 (Lunch、各自)
13:00-16:00 MDシミュレーションの基礎と応用 小田 卓司(SNU)
16:00-17:00 GIMRT招待講演「スーパーコンピュータ”MASAMUNE-弐”を活用した材料破壊・摩耗の大規模分子動力学シミュレーション」 久保 百司(金研)
17:00-20:00 GIMRTポスターセッション&技術交流会
9/29(火)
9:00-12:00 速度論に基づく照射損傷組織発達の解析 阿部 陽介(JAEA)
12:00-13:00 (Lunch、各自)
13:00-16:00 離散転位動力学による材料のマイクロメカニクス評価 高橋 昭如(東京理科大)
16:00-17:00 GIMRT招待講演「MIによるセラミック材料探索」 熊谷 悠(金研)
17:30-19:30 学生ナイトセッション(笠田研博士主催)
9/30(水)
9:00-12:00 プラズマ-物質相互作用における密度汎関数理論との付き合い方 伊藤篤史(NIFS)
12:00-13:00 (Lunch、各自)
13:00-16:00 構造破壊性能の数値シミュレーションと微小試験技術 大畑 充(大阪大学)
16:00-16:30 GIMRT講演「Irradiation3.1」 笠田 竜太(東北大学)
16:30-17:00 ワークショップ閉会式&セミナー閉校式
GIMRTポスターセッション
| p-01 | 前田 悠希 | 社会人博士 | 原子力安全システム研究所 | 高エネルギー電子線照射によるA533B鋼のメソスケールの変形挙動の変化 |
| p-02 | 吉川 美奈子 | 社会人博士 | 中部電力株式会社 | 原子炉圧力容器鋼クラッド下硬化層の局所力学特性および照射影響について |
| p-03 | 石脇 萌 | 修士 | 福井大学 | プロトン照射した原子炉圧力容器鋼モデル合金における微細組織変化に及ぼす照射温度の影響 |
| p-04 | 柿澤 真人 | 修士 | 福井大学 | イオン照射した原子炉圧力容器モデル合金における照射欠陥形成に及ぼすSi添加の影響 |
| p-05 | 土屋 僚輝 | 修士 | 北海道大学 | 低合金鋼のイオン照射後機械的特性変化における損傷速度依存性 |
| p-06 | 上山 魁 | 博士 | 東北大学 | Fe-Cr二元合金の照射硬化に及ぼす低温照射影響 |
| p-07 | 津田 快征 | 学部生 | 福井大学 | 塩化物共晶塩/Ni 基合金の腐食反応過程での冷間加工度の影響 |
| p-08 | 吉村 悠太 | 修士 | 鹿児島大学 | 反応速度論シミュレーションによる照射下BCC金属の空孔集合体の核生成に及ぼす水素と照射温度の影響 |
| p-09 | 山本 知一 | 准教授 | 九州大学 | 窒化ジルコニウムのはじき出し損傷過程の分子動力学シミュレーション |
| p-10 | 大野 直子 | 准教授 | 東北大学 | 第一原理計算から見るREBCOの照射耐性 |
| p-11 | 耿 殿程 | 助教 | 東北大学 | 材料の照射硬化に対する超小形試験技術の適用 |
| p-12 | LEE Sumin | 博士 | 東北大学 | Reliable Nanoindentation Hardness Evaluation for Heavy-Ion-Irradiated F82H Steel Using a Depth-Resolved Criterion |
| p-13 | 山村海爾 | 博士 | 東北大学 | 小型核融合炉用放射線遮蔽材ホウ化タングステンサーメットの開発 |
| p-14 | 申 晶潔 | 助教 | 核融合科学研究所 | Ion irradiation response of high-purity vanadium alloys |
| p-15 | HE Feifan | 博士 | 東北大学 | Nano-WO3-Driven Powder Processing and Microstructural Control of ODS-Cu for Scalable Fusion Divertor Heat Sinks |
| p-16 | 齋藤 隼輝 | 博士 | 東北大学 | 核融合炉ダイバータヒートシンク構造材料用ODS銅合金の開発 |
| p-17 | 小川 和希 | 修士 | 東北大学 | メソスケールヘテロ組織を導入したODSフェライト鋼の引張特性 |
| p-18 | Bae Jaeyoon | 博士 | 東北大学 | 粒径差を利用したコア・シェル型ヘテロ構造の形成挙動および機械的特性 |
| p-19 | (欠講) | |||
| p-20 | 宮岸 太一 | 博士 | 東北大学 | 酸化物セラミックスの照射誘起クラックヒーリングの照射条件依存性 |
| p-21 | 葛谷 滝人 | 修士 | 京都大学 | WとSiCの接合に焼結助剤が及ぼす影響 |
| p-22 | 三浦 大知 | 修士 | 東北大学 | 短繊維強化SiCの積層造形法開発と材料特性 |
| p-23 | 広瀬 創 | 修士 | 東北大学 | 自己イオン照射下におけるSiC繊維中の不純物挙動の評価 |
| p-25 | 竹山 遼生 | 修士 | 鹿児島大学 | 高エネルギー粒子を照射した単結晶タングステンの硬さに及ぼす水素の影響 |
| p-26 | 奥村 真郷 | 博士 | 静岡大学 | 先進タングステン材料における水素同位体挙動とその照射損傷影響 |
| p-27 | 西村 春貴 | 修士 | 鹿児島大学 | α鉄中の原子空孔-ヘリウム複合体の形成エネルギーに及ぼす水素多重捕獲の影響 |
| p-28 | 北島 慶士 | 修士 | 東京大学 | PVDによる高エントロピー合金薄膜の作製 |
| p-29 | 河邊 庸光 | 修士 | 北海道大学 | レーザー積層造形により作成した酸化物分散強化ハイエントロピー合金の組織と機械特性に及ぼすTi添加の影響 |
| p-30 | 橘川 和真 | 修士 | 北海道大学 | コールドスプレー法によるODS-HEA創製に向けたプロセス条件の検討 |
| p-31 | 河上 竜也 | 修士 | 北海道大学 | 金属積層造形によるODSハイエントロピー合金の創製 |
| p-32 | 岡 弘 | 准教授 | 北海道大学 | ODSハイエントロピー合金のスウェリングに対する異相界面シンク効果 |