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量子幾何効果に由来する光起電力効果の学理解明と高機能化
空間反転対称性の破れた物質では、p-n接合を用いずに光起電力が発現します。この現象はバルク光起電力効果と呼ばれ、その主要な起源が非線形光学過程により生じるシフト電流であることが近年明らかになってきました。シフト電流は、電子波動関数の量子幾何学的位相に駆動される光電流であり、散乱や欠陥に対して堅牢で、高速応答性を持つという特徴があります。このため、高速光センサーや弱光環境下でのエネルギーハーベスティングへの応用が期待されています。
本研究室では、量子位相に基づく高効率なシフト電流発生が可能な物質を開拓するとともに、高品質薄膜および人工ヘテロ超構造を用いた性能向上と物理機構の解明を進めています。
M. Nakamura et al., Nat. Commun. 15, 9672 (2024)
H. Hatada, M. Nakamura et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 117, 20411 (2020)
M. Nakamura et al., Appl. Phys. Lett. 116, 122902 (2020)
M. Nakamura et al., Appl. Phys. Lett. 113, 232901 (2018)
M. Nakamura et al., Nat. Commun. 8, 281 (2017)
中村優男 他 「空間反転対称性の破れた物質における量子力学的光起電力・シフト電流」 応用物理学会誌 90, 98-102 (2021)
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ハライドペロブスカイト薄膜・界面における量子物性の開拓
ペロブスカイト構造を持つハロゲン化物は、次世代太陽電池材料として大きな注目を集めています。とりわけ、主要構成元素であるヨウ素は日本に豊富に産出し、その高度利用はエネルギー政策の観点からも重要です。これらの材料が示す優れた光電変換特性には、強誘電性やディラック型バンド構造など、従来の太陽電池とは異なる量子力学的機構が関与している可能性が指摘されています。
本研究室では、MBE法によるハライドペロブスカイトの高品質薄膜作製に取り組み、高効率太陽電池特性の真の起源の解明と、特異な電子構造に基づく新しい量子物性の創出を目指しています。
K. Miki, M. Nakamura et al., submitted.
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ハライドヘテロ超構造における新奇量子物性と機能の創発
銅ハライドに代表される巨大な励起子応答や、原子層磁性・マルチフェロイクスを示す遷移金属ハライドなど、ハライド化合物は多彩でユニークな物性を示します。しかし、エピタキシャル薄膜成長技術は未成熟であり、界面物性の研究は大きく制限されてきました。
本研究室では、ハライドに最適化した独自のMBE成長技術を確立し、原子レベルで制御されたヘテロ界面において発現する新しい量子物性と機能の開拓を進めています。
T. Yasunami, M. Nakamura et al., APL Mater. 13, 081121 (2025)
M. Nakamura et al., Appl. Phys. Lett. 122, 073101 (2023)
M. Nakamura et al., Phys. Rev. B 106, 155135 (2022)
T. Yasunami, M. Nakamura et al., Appl. Phys. Lett. 119, 243101 (2021)
S. Inagaki, M. Nakamura et al., Appl. Phys. Lett. 118, 012103 (2021)
S. Inagaki, M. Nakamura et al., Appl. Phys. Lett. 116, 192105 (2020)
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薄膜超構造における強相関電子系の新奇電子相の創成・制御
遷移金属酸化物に代表される強相関電子系では、電荷・スピン・軌道といった自由度の秩序化により多彩な電子相が現れます。これら異なる電子相を人工的に接合することで、界面における対称性の破れや相競合を利用した新奇電子相や巨大な外場応答の創発が可能となります。
本研究室では、強相関電子系薄膜ヘテロ構造を舞台に、界面で生じる新しい電子相や、電場・光による相制御の実現を目指した研究を行っています。
M. Nakamura et al., J. Phys. Soc. Jpn. 87, 074704 (2018)
M. Nakamura et al., Phys. Rev. Lett. 116, 156801 (2016)
M. Nakamura et al., Adv. Mater. 22, 500 (2010)
M. Nakamura et al., Phys. Rev. B 82, 201101 (2010)
K. Lai, M. Nakamura et al., Science 329, 190 (2010)