院長挨拶

北澤 春樹

『学際知が拓く卓越への道程』

 学際高等研究教育院(DIARE)の活動に、平素より格別のご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。日笠先生から引き継ぎ本年度院長を拝命しました。どうぞ宜しくお願い致します。

 本院は2007年、21世紀COEプログラムの成果と精神を継承し、全学的な大学院教育プログラムとして発足いたしました。以来、学際性を中核理念に据え、六つの領域基盤のもとで、修士・博士あわせて1000名を超える院生を受け入れ、研究力と教育力の両輪によって、次代の学術を切り拓く人材の育成に努めてまいりました。現在、本院は学位プログラム推進機構の一部門として、学内の多様な教育プログラムとも連携しながら、学際研究教育の実質化と高度化を着実に推進しております。

 いま、学術は、気候変動・エネルギー、医療と健康、災害レジリエンス、情報・量子技術、社会変容と包摂など、単一分野の知のみでは解き切れない課題に直面しております。これらの課題に対し、本院が掲げる「異分野融合による新領域の創成」と「世界水準で活躍する若手研究者の育成」という使命は、従来にも増して重みを帯びています。学際とは、単なる分野横断ではなく、各専門の深い鍛錬に裏打ちされた知を、俯瞰的視座と創造的対話によって結び直し、新しい問いと方法を生み出す営みです。本院は、その実践の場として、研究倫理・学術基盤の確立から国際発信、産学官連携に至るまで、院生一人ひとりの挑戦を支える環境を整えてまいります。

 また、本学が掲げる「国際卓越研究大学」としての将来像は、研究の卓越性を一層高い次元で実現し、知の創造を通じて社会と世界に持続的に貢献するという、強い決意の表明にほかなりません。卓越した研究大学を形づくる根幹は、研究成果のみならず、それを生み続ける人材と文化です。本院は、学際研究教育の基盤として、分野の壁を越えて共創できる研究者を育て、国際的な研究ネットワークの中で鍛え、挑戦を称え合う学術文化を涵養することで、本学の卓越性を支える重要な役割を担ってまいります。とりわけ若手研究者・大学院生が、自由闊達な発想と確かな専門性を携え、世界の第一線で研究を展開できるよう、教育と研究支援を一体として充実させてまいります。

 2026年度も、本院は「次代を拓く研究教育拠点」としての機能を一層高め、院生・教職員・関係各位の知と力を結集し、学術の未来に資する実装力ある学際知の創出に取り組んでまいります。引き続き、皆様の温かいご指導とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

学際高等研究教育院長

北澤 春樹