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 ◆ピンホール班とは
 ピンホール班では生体細胞中の鉄元素を動態観察することでその代謝機構を解明することを目的に新たなRIイメージングシステムである「ミクロンRIイメージングシステム」の開発を行っています。これが実現できれば、不良土壌地でも生育可能な植物の開発につながると考えられます。これまで農作地として利用できなかった土地で農作物が増産されれば、世界の食糧事情に大きく貢献することが出来ます。


 ◆ミクロンRIイメージングシステムの原理
 細胞レベルでの観察を行うためには非常に高分解能な実験装置を用いる必要があります。これを実現するために本研究室ではピンホールカメラの原理を適用したRIイメージングシステムを考案し、これを「ミクロンRIイメージングシステム」と呼称しています。ミクロンRIイメージングシステムは被写体とピンホールコリメータ、X線CCDカメラで構成されています。被写体から放出されたX線はピンホールを通過したもののみ検出器まで届き、CCDのピクセルに入射します。このとき、被写体中のX線の放出位置とCCDのピクセルの検出位置がピンホールを介して1対1の関係で結ばれることによって小視野領域の拡大画像を取得することが出来ます。

            
ミクロンRIイメージングシステム概念図   実験装置



 ◆研究内容
 現在は小松菜にRI溶液を吸収させ、そこから放出される特性X線をCCDカメラでとらえることによって細胞内のRIトレーサの観察を行っています。本システムの空間分解能はピンホールの径に依存し、径が小さくなるほど分解能は大きくなりますが現状では空間分解能0.69mmと細胞レベルの観察を行うためにはまだ不十分であり、分解能を向上させることが今後の課題として挙げられます。

   
      
 
被写体の様子   積算輝度分布画像(溶液注入から35時間後)