趣旨

わが国の原子炉を活用した照射研究は、本研究会世話人の私見によれば次のような段階を経ている。
・ Irradiation 1.0: 照射黎明期(原子力材料評価)
・ Irradiation 2.0: 高度制御照射(照射効果機構解明・安全性基礎研究・先進材料開発)
このような中で金研大洗施設は、JMTRやJOYOを活用した高度制御照射を推進し、これまでに多くの照射材料に関する共同利用・共同研究の場を国内外に提供してきた。また、片平地区のアルファ放射体実験室についても、所内・学内利用を中心に一部の照射材を大洗施設より搬入し、仙台地区の研究者や学生の研究にも広く貢献してきている。
一方で、世界的に原子炉照射場の不足が顕著となってきており、次世代原子力システムや核融合炉に求められる耐照射材料の研究開発において既に困難な状況が続いている。世界的には新興国を中心に原子炉プラントの新設を進める傾向もあり、軽水炉材料の安全性研究に関するニーズも多い。また、照射後試験についても、先進的なイメージング技術や、超微小試験技術にように、これまでは見えなかった、あるいは評価できなかったような照射後材料特性変化の機構を明らかにできる機運が高まっている。
このような国際情勢において、わが国が目指すべき次世代の照射場のあり方とそれを用いた照射研究、すなわち「Irradiation 3.0」について、議論を進める必要がある。本ワークショップでは、国内を中心に照射材料研究に関する研究者を集めて最新の研究に関する情報交換を行うとともに、それぞれの材料開発や照射基礎研究に必要な照射場の未来に対する期待を取りまとめることを目的とする。

2022年度については、日本金属学会シンポジウム「タングステン材料科学」と併催とした。

開催日時

2022年12月7日(水) – 2022年12月9日(金)

※12月8(木)、9日(金)には日本金属学会シンポジウム「タングステン材料科学」が併催となります。

開催場所

仙台国際センター 会議棟3階中会議室「白橿」

 http://www.aobayama.jp/


主催

東北大学金属材料研究所 GIMRT

共催

日本金属学会 高エネルギー環境用材料照射評価研究会

併催

日本金属学会シンポジウム「タングステン材料科学」