Liquid Li/V alloy blanket - 液体Li/V合金ブランケット


Page 1 : 核融合炉の液体ブランケット
Page 2 : 液体Li/V合金ブランケットと三面複層コーティング流路
Page 3 : 三面複層コーティング流路に関する
数値解析および基礎実験


Page 4 : 三面複層コーティング流路の製作と実証実験


実験用流路の製作

長尺の三面複層コーティング流路による実証試験を行うために、オーステナイト系ステンレス鋼を 用いて流路試作を行いました。

流路製作方法

上図のように3つのパーツ(流路壁・金属層・底板)を接合させることで三面複層コーティング流路を製作します。 接合時のずれを防止するため底板には1 mmの溝加工を施します。 これらの流路パーツは東北大学金属材料研究所の機械工場で製作していただきました。 流路壁に刷毛を用いて絶縁コーティングした後、量子エネルギー工学専攻の機械工場で 溶接により3つのパーツを一体化させました。下図は短尺の試作品の写真です。 なお、本試作品では金属層厚さを0.1 mmとしました。

試作した短尺流路 試作した短尺流路

三面複層コーティング流路の実証実験

上記の試作流路を80 cmに長尺化した流路を製作し、カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校(米国)の実験施設で、 この流路を用いて液体金属の流動試験を行いました。この流動試験によって、三面複層コーティング流路が、 MHD圧力損失を大きく低減できることが実証されました。 なお、この大規模実験は日米協力事業核融合分野TITAN計画の一環として行われました。

UCLAの液体LiPb流動試験ループ
実証試験用三面複層コーティング流路
実験結果の例(印加磁場:1 T)

金属層構造の改善

核融合炉の強磁場環境において、MHD圧力損失を設計許容値以下にするためには、 三面複層コーティング流路の金属層を0.02 mm程度に薄くする必要があることが 数値解析によって示されています。厚さ0.02 mmというのは、アルミホイルの厚さと ほぼ同じです。したがって、流路製作のためには、金属層の補強が必要であると 考え、補強材付金属層を用いた三面複層コーティング流路の製作を試みています。
補強材を設置することで、液体金属の流れは複雑化します。本流路の製作・実証の ためには、金属層の強度向上、MHD圧力損失の低減、熱流動特性の向上という3つの 観点から、最適な補強材形状・配置を決定する必要があります。

金属層の補強
流動構造評価


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