光の色とエネルギー」

回折格子による分光観察

 回折格子は波長により光を異なる方向に回折します(回折干渉とホログラフィーを参照してください)。このため、回折格子を通して光を観察すると色を分けてみることができます(図1)。

図1 回折格子による分光観察

 

電灯の色

  図2は色々な電灯を回折格子を通して観察した結果(上側の写真)と検出器で測定したスペクトル(下側のグラフ)です。(a)の豆電球(白熱灯)は、赤色ほど強く、800nmよりも長波長の赤外光を多く含んでいます。(b)の蛍光灯には、水銀の線スペクトルが見られます。また、700nm以上の長波長にはほとんど光がありません。(c)の白色LEDは、青と黄色が強くなっています。(d)は3原色LEDで、青、緑、赤の光が別々にあります。

図2 電灯の分光写真(上)とスペクトル強度(下)。(a)豆電球,(b)蛍光灯,(c)白色LED,(d)3原色LED。

 

色とエネルギー効率

 電灯のエネルギー効率は、入力したエネルギーがどれだけ人の眼に見える可視光となって出てくるかで評価できます。(a)の白熱灯はエネルギーのほとんどが赤外光となってしまうため、効率が悪くなっています。蛍光灯やLEDは可視光だけを発生しており、効率がよいことがわかります。