領域統括挨拶

尾辻 泰一

領域統括
尾辻 泰一
東北大学 災害科学国際研究所 教授

自律分散協調型直流マイクログリッドの全体最適化を実現する
電力・通信融合ネットワーク基盤技術の創出

本プロジェクトは、「自律分散協調型直流マイクログリッドの全体最適化を実現する電力・通信融合ネットワーク基盤技術の創出」という壮大な目標を掲げ、情報通信と電力とのネットワークの融合によりレジリエントなネットワーク基盤の実現を推進します。情報通信技術の進化によって、情報通信技術は全ての“人”と“もの”をリアルタイムでつなぐレベルに達し、いわゆる“超スマート社会”と呼ばれる未来社会Society5.0の具体像が描けるまでに発展しています。一方、電力の送電・配電システムは、再生可能エネルギー技術、蓄電池技術、情報通信技術の発展に支えられ、電力ネットワークのスマート化が加速的に進展しています。情報通信ネットワークは電力によって,電力ネットワークは情報通信によって安定に稼働しており、両者は相互に依存して成り立っています。2011.3.11の東日本大震災以降、熊本、西日本、関西、北海道、関東と日本の各地で地震、台風、洪水等の大規模災害が頻発し、情報通信ネットワークの途絶や大規模停電等、情報通信ならびに電力のネットワークの脆弱性が露呈される事態が続いています。国連が掲げる持続可能な開発目標:SDG’s (Sustainable Development Goals)においても明らかのように、今や、地球規模での温暖化抑止に向けた脱炭素化への行動がまったなしの状況にあります。再生可能エネルギーの大量導入を経済的に実現でき、持続可能でレジリエントな社会基盤の創成が喫緊の社会的課題となっています。本プロジェクトでは、産学官の英知を結集したオープンイノベーションにより、この社会的課題の解決を目指します。