氏名: 小川卓克

研究の対象:

数理物理学に現れる様々な偏微分方程式(しばしばそれは非線形方程式)を 実解析(ルベーグ積分論やフーリエ解析の発展版)、函数解析(無限次元の線形代数) を 元に解析することに行ってきました。 特に線形的な構造と、非線形的な構造が解析的につり合ういわゆる「臨界」状況に 興味を持っています。不思議なことにこの「臨界状況」は、自然界の現象を元にした数学的モデル においてしばしば現れ、「臨界現象」として重要な現象と対応したりしていることが 興味深い点です。これらの解析のために、積分論やフーリエ解析(実解析) や、函数解析の基礎を用います。またこうした現象から自然に導かれる工学的モデルにも 興味があり、数値解法アルゴリズムのような対象にも興味を持っております。

偏微分方程式の具体的な例とそのモデルを研究するのですが、 実際にはそのための手段となる、実解析、函数解析の基礎を知っておく必要があります。 そのため当初はそうした分野の教科書をしっかり読んで、その手法に慣れてもらうことを 目標にします。その後具体的な方程式に触れ、そうした手法を適用して見ることを 行います。数学的な論理構成を追って、自分にとって明確な部分はどこか? わからない部分はどこか? そしてどのようにしたら不明確な部分が解明できるか? という点を考えることが主題です。

吉田 拓 「流体方程式の非線形項の半空間におけるある評価」

瀬片純市「渦糸運動を記述する4階非線形Schrodinger型方程式の初期問題に対する適切性」

後藤陽子「平均曲率流方程式に対する BMO アルゴリズムについて」

細野敬史「半線形Damped Wave Equations に関する初期値問題の解の漸近挙動について」

前田梨絵「非線形Dirac 方程式の解の適切性について」

岡本龍太郎「半導体素子設計に対するDrift-diffusion方程式の解について」

工藤賢一 「退化放物型方程式のHarnackの不等式について」