「The Second Tohoku Conference on Global Japanese Studies」に参加してきました!

昨年に続き、今年もTohoku Conference on Global Japanese Studiesを開催いたしました。今回のカンファレンスのため、本ゼミ担当教員のクリントン・ゴダール先生がタイと日本を「近代仏教」の視点から考えるパネルセッションを企画しました(Panel Session “Modern Buddhism in Japan and Thailand”)。パネルは2019年12月14日の13時から開催されましたが、交流の意味を込めて、その前に本ゼミの院生と、ゲストの先生方との食事会を開きました。景色のよい国際センター駅二階のカフェモーツァルトメトロで食事し、先生方といろいろと話ができました。天気も優れていて、よい一日でした!

タイからSanu Mahatthanadull先生(Mahachulalongkornrajavidyalaya University)およびApinya Fuengfusakul先生(Chiang Mai University)が参加され、北大の櫻井義秀先生が報告者として、神戸大の伊藤友美先生がコメンテータとして、パネルに加わりました。そして本ゼミ生の亀山光明氏も「戒律」を軸に、日泰仏教交流の視点から報告しました!東南アジア諸国の仏教との関係を考えるのは、近代日本仏教研究に残された大きな課題のひとつで、本ゼミで今後も取り組んでいきたいと思います!

主旨説明を行うゴダール先生
Sanu Mahatthanadull, “Modern Buddhism, Education, and the State in Thailand and Japan”
Sakurai Yoshihide, “Engaged Buddhism in Thailand and Japan: ‘Development Monks’ and Disaster Relief”
Apinya Fuengfusakul, “Female Movements in Contemporary Thai Theravada Buddhism”
Kameyama Mitsuhiro, “Late Nineteenth Century Japanese Encounters with Theravada Buddhism”
パネル全体に対してコメントする 伊藤友美先生

さらにカンファレンスの別のセッションで、ゼミ生の高橋優香氏が「Yoshimoto Takaaki’s Perspective on Aging」と題して、初の英語報告を果たしました!吉本隆明による「高齢」をめぐる語り方と、彼の親鸞論との関係で考えたものです。高橋氏も、今後とも頑張ってください!

高橋氏、お疲れ様です!
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エレン・ヴァン=フーテム先生が東北大でご講演!

2019年12月13日(金)、九州大学人文科学研究院のEllen Van Goethem先生がこちら東北大学国際文化研究科でご講演なさいました。欧米では日本古代史第一人者の一人で、長岡京および桓武天皇について貴重な成果を発表してきたヴァン=フーテム先生には今回、近代における平安神宮の形成について、話して頂きました。

平安遷都1100年の記念事業の一環として、日清戦争の時期に創祀されたこの神社は、以降も公共空間として京都の近現代史において重要な役割を果たし、今は「日本」のひとつの象徴として、国際的に機能しています。普段、仏教史に没頭するゼミ生は、神道史の話もヴァン=フーテム先生のような専門家から聴けて、とても贅沢な時間でした。

ヴァン=フーテム先生、我々東北大を今後ともよろしくお願いします!また是非、来てください!

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クラウタウ先生が大正大学の綜合仏教研究所で公開講座!

2019年12月12日、本ゼミ担当教員のクラウタウ先生は倉西憲一先生と三浦先生の招待で、大正大学の綜合仏教研究所において講演「近代日本仏教史上の村上専精」を行いました。

本講演は、クラウタウ先生が院生時代から長らく研究してきた、東京(帝国)大学印度哲学講座初代教授・村上専精の思想を展開的に捉え、それを通して「近代日本仏教思想」を上書きする試みです(その成果は準備中の英語単著にて発表する予定だそうです)。

質疑応答の時間は限られていましたが、話は終了後の懇親会でも続きました。クラウタウ先生は大学院時代に仲が良かった同級生・伊久間洋光氏と十数年ぶりに再会できて、嬉しかったとのことです!

当日の様子は、大正大学綜合仏教研究所研究員の森覚氏がツイッターで掲載しています。

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龍谷大学でのリチャード・ジャフィ先生の講演に出席!

2019年12月11日(水)に、デューク大学のリチャード・ジャフィ教授の講演会「日・印仏教交流と仏教の近代化」が龍谷大学大宮学舎にて開催され、ゼミ生の亀山光明氏とジュリオ・ナシメント氏が参加してきました。

同講演会は本ゼミの読書会でも使用したジャフィ先生の単著『Seeking Sākyamuni: South Asia in the Formation of Modern Japanese Buddhism』(University of Chicago Press, 2019)の出版を記念して開かれた講演会です。講演当日は17年間かけて本書を出版されたジャフィ先生の軌跡が語られるとともに、南アジア地域が近代日本仏教の形成に果たした役割について聖地への巡礼、留学、物質文化、アジア主義などの多様な側面から議論されました。

講演後に開かれたジャフィ先生を囲む懇親会にも参加し、ゼミ生たちは今後の研究の方向性など多くの有益なアドバイスを頂いたようです。

亀山氏、ジャフィ先生に会えて少し緊張しているよう(笑)
Kameyama looks up to his idol (literally!)

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タイからの特別ゲスト — A Special Guest from Thailand!

2019年12月11日、タイのマハーチュラロンコーンラージャヴィドゥャ大学(MCU)のSanu Mahatthanadull先生が、本講座を訪問されました。

仏教と科学との関係を専門とされており、現在、MCUのInternational Buddhist Studies Collegeのvice-directorであるMahatthanadull先生は本ゼミの院生・教員に向けて、講演「Theravada Buddhist Practice and the Access of Happiness」を行いました。テーラワーダ仏教における「happiness」の多義性(pāmojja, pīti, passaddhi, sukha, samādhiなど)を踏まえ、「Dhammasamādhi」の問題を詳しく取り上げられました。

講演の後半で、Mahatthanadull先生は院生の質問に答えました。基本的に近代日本の仏教を対象とする本ゼミ生は、近現代タイにおける国家と仏教との関係、タイ仏教における尼僧の位置づけ、そしてタイにおける「大乗仏教」の認識について質問し、特に後者をめぐって、話が盛り上がりました。

「近代仏教」は日本をはるかに越える問題なので、グローバル社会における「日本仏教」の位置づけを理解するために、特にアジア他国のことも勉強しなければ!

講演する Sanu Mahatthanadull先生!
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日本のキリスト教と帝国主義をめぐるアンダーソン先生の講演会!

2019年11月20日(水)に、エミリ・アンダーソン先生による講演「日本帝国を神の国に――20世紀初期のキリスト教徒と帝国主義」を開催いたしました。講演は本研究科の国際日本研究講座に加え、文学研究科日本思想史研究室および東北韓国学フォーラムの合同企画で、片岡龍先生を司会として、京都大学の小倉紀蔵先生の集中講義の一環として開催されました。20世紀前半における日本のキリスト者の大陸での活動について多くの業績を出してきたアンダーソン先生は、報告後、小倉先生のご指摘のみならず、多くの学生の質問に答えて、盛会でした。アンダーソン先生、我々の東北大を今後ともよろしくお願いします!

当日、とても盛り上がりました!
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国際研究集会「東西文明論の近代」を開催しました!

2019年11月16日から翌日にかけて、本ゼミのクラウタウ先生やゴダール先生が朱琳先生と合同で展開しているプロジェクトの一環として、国際研究集会「東西文明論の近代――政治・宗教・美術」を開催いたしました。

一日目、日文研の稲賀繁美先生が「東西比較の方法論」と題する基調講演を行い、透視図法のようなテクニックの日本的受容に加え、「平等」や「無」のような哲学的な要素の世界化過程に焦点を当て、「比較」への視座を示しました。質疑応答の際、東京大学の苅部直先生や東北学院大の鐸木道剛先生からの指摘があり、議論が大いに盛り上がりました。

ゴダール先生が司会をつとめる、土曜日の基調講演の様子!
基調講演修了後、懇親会を楽しむ先生方!

二日目の17日に、パネルセッションが開かれました。国際基督教大学の岡本佳子先生は、岡倉天心(1863-1913)のアジア論を中心として、その全体像にせまる報告を行いました。続いて、広東外語外貿大学の趙暁靚先生は吉野作造(1878-1933)の民本主義と中国の伝統思想との関係について報告し、最後に本学の朱琳先生が洋画家・児島虎次郎(1881-1929)の作品に現れる「東西」について話しました。それらに対して、東大の苅部先生がコメントし、オーディエンス側から稲賀先生が最終的なまとめを行いました。

二日間にわたって、非常に盛り上がる集会となりました。本会のために遠方からわざわざ東北大にお越し頂いた先生方、ありがとうございます!今後ともよろしくお願い申し上げます。

二日目も、とても盛り上がりました!
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ボローニャ大学での国際シンポジウムに参加!

イタリアのボローニャ大学と東北大学の合同シンポジウムImages, Philosophy, Communicationが2019年11月11日から12日にかけて行われ、ゼミ生の呉佩遙氏が発表してきました。このシンポジウムは、日本学国際共同大学院プログラムの一環であり、学際的かつ国際的な知見を交流する場として開かれました。呉氏は “The Formation of ‘Faith’ and the Journal Shinbukkyō in Modern Japan: On Sakaino Kōyō’s Thought and Activities” という題目で英語の報告を行い、東北大学文学研究科文化人類学研究室の川口幸大先生から新仏教徒らの「信仰」の内実をめぐって、ご指摘いただきました。その後、ボローニャ大学で美術史や哲学を専門とする学生たちと交流し、他分野に所属する方からの意見をいただきました。

近代日本の信仰論について報告する呉氏

ボローニャは古代ローマ時代の都市であり、歴史的な建築と芸術作品がたくさん残っています。大会終了後、東北大学とボローニャ大学の学生たちがボローニャを満喫しました!

ボローニャの中心地にある古い町並み
宗教史オタクには嬉しい教会めぐりです!
イタリアの宗教美術も楽しめました!
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大澤広嗣先生、東北大でご講演!

11月8日に、文化庁宗務課の大澤先生が、こちら国際日本研究講座で公開講演を行いました(文学研究科の日本思想史研究室・現代日本学研究室との合同企画です)。先生は、勤務先の宗務課の仕事内容をご紹介の上、現在の「宗教法人」の仕組について詳しく説明し、さらに明治憲法以前の「宗教」関係の一連の布告等を概観し、日本における「宗教行政」から「宗務行政」への流れを指摘されました。

1939年4月「宗教団体法」の「認可主義」、1945年12月「宗教法人令」の「準則主義」、そして現在につながる1951年4月「宗教法人法」の「認証主義」という展開を各時期の社会背景との関係で講じられ、「単位宗教法人」や「包括宗教法人」の相違についても説明を頂きました。『宗教年鑑』を編まれている大澤先生から、このような話が頂けるなんて宗教史オタクの我々からして、極めて嬉しい一日でした!(笑)

講演の趣旨を丁寧に説明する大澤広嗣先生!
ほぼ満席でした!
報告後のクラウタウ先生、金原先生、大澤先生、繁田先生
そして講演終了後、大澤先生を囲む会も!
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東アジア日本研究者協議会(EACJS)の学術大会に参加!

クラウタウ先生と日本思想史学会組が茨城大で活躍していたのと全く同時期の2019年11月1日から3日にかけて、ゴダール先生はゼミ生の一部を率いて、台湾大学にて行われた東アジア日本研究者協議会(East Asian Consortium of Japanese Studies , EACJS)の第4回国際学術大会に参加してきました。EACJSは、北米を中心としたアジア研究協会(AAS)、欧州を中心としたヨーロッパ日本研究協会(EAJS)と並んで、東アジア地域における日本研究者の国際的交流促進のために創設された国際カンファレンスです。

大会の2日目に、ゴダール先生と亀山光明氏は、パネルセッション「近代日本の日蓮主義における信仰とプラクティス」にて報告を行いました。本パネルセッションは、従来の研究において、近代的な合理主義の下に「儀礼」や「プラクティス」といった側面が閑却されてきたことを踏まえ、信仰と実践の関係を、近代日本の代表的な仏教運動である日蓮主義を題材として再考すべく企画されたものです。パネルでは、ゴダール先生による「昭和初期の日蓮主義と東亜連盟運動における女性」や亀山氏「明治中後期の法華運動と肉食妻帯――田中智学を中心に」の他に、駒澤大学研究員の君島彩子先生の「彫刻家、竹内久一と日蓮主義」、筑波大学大学院の牧野静氏による「宮沢賢治の法華信仰と菜食主義」の報告もあり、それらに対して大阪大学のユリア・ブレニナ先生がコメントしました。当日はフロアからも日蓮主義の有する普遍性と国家との関係や、如何にして多様性と広がりを有する日蓮主義を通時的に把握するのかなどについて質疑がおこなわれました。最後にブレニナ先生から、従来の在家主義図式の再考、物質文化という未開拓の領域、菜食主義という新たな実践、女性の役割とネットワーキングなどの多様な方面から日蓮主義を捉えることで、同運動の新たな可能性を検討することの意義が示されました。

パネリストと田中智学(笑)

本パネルの他に、ゼミ生の楽星氏が「東アジアにおける思想交流史」分科会で報告しました。楽氏の報告「アジアという言葉からみる日本の自他認識の展開――雑誌『太陽』におけるアジア言説を中心に」をめぐって、台湾・淡江大學の王嘉臨先生などから質問があり、「亜細亜」という言葉の定着と「アジア主義」の概念形成との関連性について、指摘されました。さらに「帝国日本の支配と植民地社会の変容」の分科会でも日本史研究室所属の簡冠釗氏による「近代日本の対中国文化外交――東方文化事業における研究助成事業を中心に」の報告もありました。大会終了後は、ゼミ生が台湾の美食と風景も楽しみました!

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